今回の尾瀬ヶ原周遊は、鳩待峠から入って北回りコースを歩き、見晴の尾瀬小屋に宿泊して、2日目は南回りコースを歩いて戻って来ました。初日は良いお天気で、長い木道歩きは暑さとの戦いであったのですが、2日目は途中から雨に降られてしまいました。暑さは回避できたのですが、雨降りは行動が制約されてしまいますから、アウトドアでは有難くありません。そんな中で、宿泊した尾瀬小屋で、夕食後のひと時を談話室で尾瀬を紹介する本や植物図鑑などを見ながら、見て来た山野草などの確認をしていました。小さめのペットボトルに入れたウィスキーを持っていったので、山小屋の水で水割りを作りましたが、これが驚くほど美味しくて、マグカップに2杯も飲んでしまいました。氷もなかったのですが、美味しかったのは水の違いであると思います。尾瀬の素晴らしい自然環境は、景色や動植物を鑑賞させてくれるだけではなく、美味しい水も提供してくれました。まさに自然の恵みです。
さて、今回も尾瀬ヶ原で観察して来た山野草の紹介を続けますが、まず最初はヒツジグサです。たくさんある池塘のいくつかは、水面がヒツジグサの葉で覆われていました。その中に小さな白い花を見つけました。名前の由来は羊の刻(午後2時)ころに花が咲くことから名付けられたということです。
こちらはジャコウソウになります。前回も紹介していますが、これを撮影したのは2日目に沼尻川を渡り、竜宮小屋に至る間のことです。そこにジャコウソウの群生地があったので、夢中になって何枚も撮影して来ました。
初日に山の鼻から牛首分岐へ向かう途中、川上川を渡る橋の上から、水面に林立する水草が目に留まりました。見慣れない風景で、何かわからなかったので写真に撮り、後から調べて見たらスギナモであることが分かりました。
鳩待峠から山の鼻へ下って来る途中、山道の脇にソバナが咲いていました。いくつかあった花の中から、一番たくさん花をつけていた株がこちらです。
花茎の先にいくつも花を咲かせていますが、その花柄が白色の特徴的な花姿をしています。これはチョウジギクになりますが、花の形が、香料にするチョウジの花の形に似ているところから、この名前が付けられたということです。
水辺に多く見られたドクゼリです。白い花を球状花序として咲かせていますから、分かりやすい花姿です。
こちらの黄色い花はトモエソウです。花びらの形が巴形に曲がっているところから、この名前が付けられました。
こちらも尾瀬ではたくさん見られた花です。アジサイのような花姿ですが、これはノリウツギですね。草原の中だけでなく、林縁にもたくさん見られました。
広い草原の中に一本だけポツンと立っていました。よく目立ったこの黄色い花はハンゴンソウです。周りに群生している茶色い穂はアブラガヤです。
対生する葉の付け根に、白くて小さい花を咲かせていたこちらはヒメシロネです。シソ科の山野草になります。
最後はピンク色の花を咲かせていたヒヨドリバナです。頭花は散房状についています。これは草丈が低い小さい花でしたが、山小屋に着いて食事前に散策している時に撮影しました。