私の楽しい山仲間のメンバー達と、平成29年(2017年)のスタートとなる最初の月例登山に参加してきました。今回目指す山は、東京都の最高峰である雲取山(標高2,017m)です。この山を選定したのは、今年の西暦年と同じであったからにほかありません。1月14日から15日にかけて、一泊2日のメモリアル登山を計画してもらいました。しかし、この日は日本列島全体が60年振りという大寒波にスッポリと包まれてしまいました。さて、どうなる事でしょうか....?
この日は、男性8人、女性3人の合計11人のメンバーが、車4台に分乗して鴨沢の村営駐車場に集合しました。大雪が降るんじゃないかと天気が心配されましたが、良く晴れてくれました。寒さの中を身仕度を整えて、サァこれから出発です。
1週間ほど前に降った雪が、まだ消えずに残っていました。今回は、山小屋泊組5人、テント泊組6人という構成になり、テント泊組はそれなりに重装備となりました。山頂までのアプローチは結構長いものがありますが、それでもメンバー達の足取りは快調です。
ここが最初の通過ポイントである堂所です。標識が1本立っているだけですが、ここまで凡そ1時間くらいの行程となりますから、ルートをトレースする上での目安となります。
堂所のポイントを過ぎたところにちょっと広い場所がありました。雪が次第に深くなり、アイスバーンになっている所もありますから、ここで全員アイゼンを装着することにします。チェーンアイゼン、6本歯、12本歯等など、かじかむ手でそれぞれのアイゼンを装着しています。
かなり高度を上げてきました。冬枯れの木立の間から、遠くに山々の景色が見えるようになりました。どこの山かは分かりませんが、取り敢えず稜線が見えたところで1枚パチリ。
歩き始めは寒かったのでたくさん着込んできましたが、体が次第に温まってきて汗ばむようになりました。S野さん暑くなってきたから、そろそろ1枚脱ぎたいよね。
ちょっと一息ついて記念写真の撮影です。私がカメラを向けると、みんな直ぐにポーズをとって反応してくれます。左端に写っているのはテント組のため重装備のK池さんですが、ザックが重そうですね。でも片脚を上げて余裕しゃくしゃくと言ったところ。
ここが七ツ石小屋下の分岐です。右に道をとれば七ツ石山を越えて雲取山へ、左へ道をとればブナ坂を経由して雲取山へ至ります。我々は、ブナ坂経由のコースを進みます。
そろそろお腹が空いてくる頃でしたから、遅めの朝食か早めの昼食か分かりませんが、みんなそれぞれ行動食を食べたり、汗をかかないように服装調整をするなど、ここで暫らく小休止をとりました。私も行動食として持ってきたパンに噛り付きました。
登山道脇の小さな滝でしたが、完全に凍り付いています。大きなつららが何本も垂れ下がっていましたから、「水の補給につららを持って行って、しゃぶり付けば」等とジョークも飛んでいました。
山肌に着けられた細い登山道ですが、雪と氷で大変滑りやすくなっています。みんな慎重に足を進めていきます。気温はずっと氷点下ですから、持って行ったiPhoneは早々にダウンしてしまいました。GPSでトレースしていたのに、これではLOGも残せず全く役に立ちません。
ここがブナ坂、今回の登山ルートの概ね中間点と言ったところです。なかなか長いコースですが、一息ついて元気出していきましょう。
樹林帯の向こう側に飛龍山(標高2,077m)へ続く稜線が見えます。稜線上の道を進みますが、次第に風が強くなってきました。気温も低いままですから、自然環境が厳しい状況です。次の目的地を目指して、ひたすら一歩一歩足を進めます。
これが雲取山へ登るルート上の名物である “ダンシング・ツリー” だそうです。かずとり君に教えて貰いましたが、確かに踊っているような姿の立木です。何故こんな形になってしまったのでしょうか? 考えながら歩く私の足取りは次第に重くなってきました。
ここが奥多摩小屋です。ここに至る直前から、急に風が強くなってきて真っ直ぐ歩くことが出来なくなりました。山陰にたたずむこの小屋の脇で、風除けの場所を確保して休憩をとりました。温度計は既にマイナス10度を下回るほどで、冷え込みとともに強風で体感気温はさらに低く感じられます。
時折、身体が吹き飛ばされるような強風に耐えるため、足を止めてやり過ごしながら急登を登って行きます。次の通過ポイントである小雲取山(標高1,937m)までは、直線距離で1キロメートルちょっとですが、実際に歩くと思った以上の時間が掛かりました。
遠くに見える山並みは丹沢山系でしょうか? 強風に抗いながら、でもまだまだ写真を撮るだけの余裕をもって歩いています。
小雲取山(標高1,937m)がすぐそこに見えるようになりました。当初の予定では、この小雲取山を越えて、雲取山(標高2,017m)に登頂し、雲取山荘へ至る予定でしたが、あまりの強風で歩くのも大変でしたからコース変更し、巻道から山荘へ至るコースをとることになりました。山頂への登頂は翌日に持ち越しです。
もうそこに飛龍山(標高2,077m)に続く山並みが見えていますが、ここが巻道への分岐となります。巻道へ入れば稜線上の景色は見られなくなってしまいますので、ここで記念に撮影しておきました。
巻道に入って風除けになったのは良かったのですが、思った以上に雪が深くてとても歩き難くなっていました。コースタイムでは40分の道のりでしたが、我々はここを通過するのに1時間ほどもかかってしまいました。
やっと雲取山荘の建物が見えてきました。予定時間を大幅にオーバーしましたが、明るいうちに到着することが出来ました。でも、テント泊組は設営がありますからこれからが大変です。
雲取山荘の建物です。雪の中で寒々とした風景ですから、さすがに外で憩っている登山者の姿は見えません。山荘泊組は早速チェックインをして部屋に入りました。男性3人、女性2人で個室に入りましたが、豆炭炬燵が入っていて、いったん座ってしまうともう外には出たくない....
いよいよ夕食の宴会が始まりました。テント泊組がいると、山荘内で宴会をすることが出来ないと断られてしまいましたから、雪の中での宴会を余儀なくされてしまいました。
しんしんと冷え込む雪の野外ですが、遠くに夜景が見えました。東京の市街地でしょうか?ストロボを焚いても仕方ありませんから手持ちで撮影して見たのですが、カメラの手ぶれ補正が効いていて、なんとか見られる写真になりました。
外気温はマイナス15度でした。持ってきたウェアを全部着込んで宴会に参加しましたが、それでも寒いです。ホットワインとホットウィスキー、それに焼酎のお湯割で体を温めました。とどめはA山部長が担ぎ上げてくれた食材でモツ鍋をみんなでつつき、震えるような寒さの中での大宴会は夜の闇とともに御開きとなりました。
さて、翌朝の出発前に、全員で山荘の前で記念写真を撮影しました。テント泊組の話では、テント内でマイナス22度を記録したと言っていましたが、よくもまあ、そんな寒いテントの中で寝られたものです。感心してしまいますが、よく寝られたと全員が元気な顔を見せてくれました。
ここが雲取山(標高2,017m)の山頂です。途中で雪混じりの風が吹きつけてくることもありましたが、念願のメモリアル登山を成し遂げる事が出来ました。この日使用したカメラはオリンパスのコンデジカメラのSP100EE という機種でした。メンバーが持っていたスマホのカメラは外気に触れると10秒くらいでダウンして使えなくなってしまいましたが、私のカメラはマイナス15度でも、ちゃんと撮影してくれました。山登り用の強い味方です。
これも山頂に建てられていた西暦2,017年の記念モニュメントです。S本♂さん、K池さん、A山部長が3人並んで記念写真を撮りました。
下山途中の登友会メンバーですが、カメラを向けるともう大変、皆んなポーズをとって構えてくれますから、ナイスショットの連発です。
前日、強風のため巻道に逃げた分岐ポイントまで下ってきました。この日の天候も決して良好とは言えませんが、前日の荒れた天候に比べれば、歩きやすくてとても助かるような状況になってくれました。
奥多摩小屋まで下ってきました。前日は、風が強くてこの下の小屋の周辺で休憩を取りましたが、この日は割合穏やかな天候になってくれましたから、稜線上でもこうして休憩することが出来ました。
雪の中を下っています。下り終わったら、みんなで温泉に浸かって疲れを癒すことにしていますから、温かいお湯に浸かることだけを考えて、ひたすら雪の道を下っていきます。
良く晴れてくれました。気温は氷点下ですが、山頂付近で体験したマイナス15度近くの空気に比べると、とても暖かい環境です。休憩するメンバーも、生き返ったような感じがしてきました。
前日に、皆でアイゼンを装着したポイントまで下ってきました。堂所のポイントの直ぐ上の場所になります。下りですから、ここではアイゼンを付けたままで休憩して、このまま駐車場の場所まで一気に下っていくことになります。A澤さんが携行してきた折りたたみ椅子は、こんな雪の中ではとても役立つアイテムになりました。
最後に紹介するのはこのカケスの写真です。下ってきた登山道の途中で、すぐ近くに留まって鳴きながら我々を歓迎してくれました。これは撮影せずにはいられない状況です。今回携行したSP100EEで、1,200mm相当までズームアップして撮影しました。